2010-10-12

「優しき歌」の物語

10月9日、カワイ表参道で、加藤邦宏作品演奏会7回「優しき歌の物語」を行いました。演奏されたのは、立原道造の詩による歌曲。それも大変珍しい7重奏による室内楽伴奏です。お一人お一人が素晴らしい演奏家で、舞台は本当に豪華でした。ソプラノ・駒井ゆり子さんが、美しい日本語と豊かな声を聞かせてくださいました。

今回は、道造の周りにいた人々が道造について書いた文章や、詩人自身の手紙を、朗読でご紹介しながら会を進めました。道造や、その恋人アサイのやさしい言葉を聴いて、私は司会をしながら、思わず涙。朗読してくださった福地きょうこさんは「私は家で練習しながらさんざん泣きました」と、こっそり教えてくださいました。

お客様からいただいたコメントをいくつかご紹介します。「いつのまにか詩の世界に入り込こんでしまいました。」「全部で一曲のようでした。音楽が自然に心に染みこんできた気が致します。」「曲は勿論のこと、バック演奏の重厚な響きやステキな朗読に、うっとり聞き入ってしまい、ロマンチックな気分に浸るひとときでした。」

自然を感じ、愛を想い、道造の純粋な言葉の世界を音楽とともに旅した一夜。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、最終曲の「夢みたものは」を聴きながら、生きていて良かったと、心から思いました。

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